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〒254-0034 神奈川県平塚市宝町3−1 平塚MNビル1F
出典 独立行政法人 国民生活センター 発行 「くらしの豆知識 2012」より一部抜粋
1)戸建住宅を購入するときの注意点
2)マンションを購入するときの注意点
3)住宅ローンの選び方
4)住宅取得者を守る制度
5)住宅を借りる時のチェックポイント
6)賃貸住宅をめぐるトラブル
7)住宅リフォームを支援する制度
8)省エネリフォームをするには
9)太陽光発電を導入するときの注意点
10)LED照明で省エネルギー
住宅の購入は高額取引ですから、資金面、環境面などを十分検討しましょう。
売買代金以外に、固定資産税等精算金、登記費用、仲介手数料、印紙代、不動産取得税、引っ越し費用、ローン関係費用(保証料、事務手数料等)など、新築住宅で5%前後、中古住宅で8%前後の諸費用がかかります。
契約前には、宅建業者から重要事項説明書を受け取り、宅地建物取引主任者から説明を受けることになります。この内容は複雑多岐にわたりますので、事前に重要事項説明書の下書きをもらって、十分検討、理解することが大切です。
住宅ローンを利用するときは、利用予定金融機関・金額・利率等を明記し、借りられないときは無条件で売買契約を解約できる特約(住宅ローン特約)を付けてもらうようにしましょう。
手付金とは、契約が成立した証として授受される金銭です。一般的に、買主は「手付放棄」で、売主は「手付倍返し」で、相手が「履行の着手」をする前または設定期日まで、自由に一方的に契約を解除できます(売主が宅建業者のときは、期日を設定することはできません)。
違約金は、契約違反があった場合に相手方が請求できる金銭で、代金の20%が目安です。
売主が宅建業者のときは、契約に先立って、10万円程度の「申込証拠金」を授受することがあります。契約不成立の場合、売主は、買主に申込証拠金を返還しなければなりません。
瑕疵とは、傷(欠陥・不具合)のことをいいます。民法では、瑕疵を発見して1年以内は売主に損害賠償等を請求できることになっていますが、売主が個人の場合、瑕疵担保期間は、引渡後数カ月(設備は1週間)程度となることが多いようです。売主が宅建業者のときは引渡後2年間と定めることがほとんどです。
新築住宅においては、売主が定めるアフターサービスのほか、「住宅品質確保促進法」によって、構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任が定められています。
中古住宅では、リフォーム代や仲介料を考慮する必要があります。建物の傷みは、専門家に調査してもらいましょう。
○隣地との境界は、実測図等で確認しましょう。
○地域によっては、窓を隣地から1m離して設置したり、建物を境界線から50cm離して建てる必要があります。
○建築基準法上の道路に接していない再建築不可の物件には、くれぐれも注意してください。
建物工事請負契約を締結することを条件として土地の売買を行うことをいいます。請負契約のかたちを取りながら、実質的に建売と変わらないケースもあり、トラブルが多発しています。
マンションを購入すると、建物については、専有部分の所有権(区分所有権)と、建物の躯体や廊下・階段室等の共用部分の共有持分権を取得します。また、敷地については、敷地利用権(共有持分権等)を取得します。敷地利用権は、建物区分所有権と分離して処分することはできません。区分所有法の適用を受け、区分所有者の共同の利益に反することはできません。違反者に対し、行為停止、使用禁止、競売の請求等が認められています(多数決原理)。
マンションでは、管理費・修繕積立金等がかかります。自家用車を保有している人は、駐車場代も必要です。生活設計に注意しましょう。
マンションの重要事項説明では、通常の説明に加え、専有部分の利用制限に関する規約、専用使用権、修繕積立金等、管理費用・規約等の内容などの説明がされます。この内容は大変重要で、しかもマンションによって異なりますから、購入決定前によく説明を聞いてください。
区分所有者は、当然に「区分所有者の団体」(管理組合)の構成員になります。年に1回開催される総会には、積極的に参加しましょう。管理組合の理事は、持ち回りが多いようです。
住戸の専有部分は、所有者が自由に使用できる部分ですが、管理規約により使用方法(内装工事の制限等)を定めている場合があります。
新築マンションでは、完成前にモデルルームとパンフレットを見て購入(青田買い)するケースが多くみられます。青田買いは、良い物件を早く入手でき、入居まで時間の余裕がある利点もありますが、完成時に「イメージと違う」と後悔しないよう、慎重に判断しましょう。
パンフレットの面積は、壁の中心線で測る「壁心面積」で表示されますが、登記面積は、壁の内側で測る「内法面積」で表示されます。内法面積は、壁心面積より数%少なくなります。
また、当初の修繕積立金を低く抑える物件もありますが、入居後すぐに値上げを余儀なくされるケースもあるので注意しましょう。
中古マンションの売主に管理費等の滞納があれば、買主が支払わなければなりません。購入後すぐに大規模修繕がある場合には、一時金の支払いを求められることもあります。
重要事項説明でチェックしてください。
○ペット … ペットを飼う予定の人は、ペットの種類・頭数・他住戸の承諾の必要性などを事前に必ず確認してください。
○楽器 … ピアノ等は演奏の時間帯を制限するケースもあります。
○自転車 … 自転車置き場には、1住戸1台しか置けない場合もあります。
「マンションは管理を買う」といわれますが、管理は管理会社任せにせず、自分たちで作り上げていく必要があります。
住宅は人生で最も高額な買い物です。そのため住宅ローンを組んで買うのが一般的です。ローンは借金ですから、利息を付けて返さなくてはなりません。借入額が多過ぎると、ローンの返済が厳しくなりせっかく手に入れたマイホームを手放すことにもなりかねません。
ですから、住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「返せる金額」を借りることが重要です。目安は、年間の返済額が手取り年収の25%以内になることです。
住宅を購入するときは、購入価格の3割の自己資金を用意するのが基本です。このうち2割は住宅ローンの頭金、1割は住宅購入にかかる様々な費用(ローン関連費、登記費用、税金、引っ越し代など)に充てます。
頭金ゼロでもローンは借りられますが、頭金がないとその分借入額が多くなり、返済の負担が重くなるので避けるのが賢明です。マイホームを買おうと思ったら、まずは頭金をしっかり貯めることからスタートしましょう。
また、3割の自己資金で貯蓄を使い切ってしまうと、住宅購入後に予想外の出費があったとき家計が破綻することになるので、手取り月収3〜6カ月分の貯蓄が残るようにします。
住宅ローンの金利タイプは三つあります。
三つのうち、当初の金利が一番低い変動型を選ぶ人が多いのが現状ですが、将来金利が上昇すると、5年後に毎月の返済額が大幅に上がるリスクがあります。
ですから、返済額がずっと変わらず返済計画が立てやすい固定型を選ぶのが最良です。それでは毎月の返済額が高くなってしまうという人は、固定期間が10年の期間選択型を選ぶとよいでしょう。たとえ10年後に金利が上がっていても、返済が進んで元本が減っている分、毎月返済額のアップ幅を抑えられるからです。あるいは、変動型と固定型の二つのローンを組み合わせる方法もあります。
借入額が少ない人、共働きで家計にゆとりがある人などは変動型でもいいでしょう。
どんなに慎重に選んだローンでも、何かの理由で返済が難しくなることもあります。もしそうなったら、借り入れている金融機関に相談すれば、返済条件の変更や返済猶予など、当面の返済負担を軽くする対策が取れることがあります。いよいよ払えないというところまでいってしまうと取れる手立てがなくなります。返済が苦しくなったら、できるだけ早い段階で相談することが大切です。
住宅に不具合が生じても、一般の消費者には対処・判断が難しいものです。こうした問題から住宅取得者を守るための法制度があります。
住宅性能表示制度は、住宅について第三者機関が共通の基準により、耐震性・省エネ性など個別の項目について性能の評価を行い、等級という分かりやすいかたちで、評価書に表示する制度です。住宅の性能に関する信頼性の高い情報を提供し、安心して住宅を取得できるようにすることを目的としています。この制度は「住宅品質確保促進法」に基づく任意制度で、利用する場合には相応の費用がかかります。
発行される評価書には設計段階の評価である「設計住宅性能評価書」と、施工・完成段階の現場検査を経た「建設住宅性能評価書」の2種類があります。また新築住宅だけでなく、既存(中古)の住宅も制度の対象です。
さらに、この制度による評価書を購入者に交付した場合には、その評価書の内容が契約内容とみなされます。つまり、事業者はその内容の住宅を引き渡すことを保証し、性能不足の場合には損害賠償責任を負います。
【10年間の保証の義務づけ】
「住宅品質確保促進法」では、新築住宅の建物の強度に関する部分(柱・基礎など)と防水に関する部分(屋根・外壁など)の欠陥について、住宅事業者に10年間無償補修や損害賠償を行う責任を義務づけています。契約書に責任が発生しない旨の記載があっても、取得者は補修などの請求ができます。
【補修などに必要な資金の確保】
「住宅瑕疵担保履行法」により、09年10月以降に引き渡された新築住宅について、補修や賠償が確実に行われるよう事業者に対して「保証金の供託」または「保険への加入」が義務づけられました。
「供託」とは、事業者が、供託所(法務局など)に、あらかじめ補修等のための資金を預けておく制度です。
「保険」とは、事業者が住宅専門の保険会社に保険料を支払って加入する保険(住宅瑕疵担保責任保険)です。住宅に欠陥があった場合に補修などに必要な費用は、保険金として事業者に支払われます。事業者が倒産した場合などには、取得者が保険会社から直接保険金を受け取れることが大きな特徴です。
供託と保険どちらの場合も、事業者には契約時にその内容について説明をする義務があります。内容をしっかり確認するとともに、関係書類をきちんと保管しておくことが必要です。
先述の「建設住宅性能評価書」が交付された住宅(評価住宅)や「住宅瑕疵担保責任保険」に加入した住宅(保険付き住宅)については、トラブルの際に安価で調停等の紛争処理制度が利用できます。相談は(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)の相談窓口で受け付けています。
※参考:
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会
一般的に賃貸借契約は、@不動産仲介業者への申し込みA住宅の内覧B書類の提出C入居審査D重要事項説明・契約書の説明E契約・入金F鍵の引き渡し・入居、の手順で進みます。
いったん契約した後で解約する場合は、入居していなくても解約予告期間分の賃料の支払いが必要となります。また、礼金・仲介手数料等は返還されません。必ず契約前に内覧し「間取り・設備等室内の状況」「日照・騒音・周辺施設等の近隣環境」「建物管理の状況」などを確認しておきましょう。
希望物件への申し込みをすると、契約前に申込証拠金を求められる場合があります。申し込みを撤回したときには返還されるべきものですが、なかには返還を渋るケースも見受けられますので、安易に預けることは避け、預ける場合には返還されることを確認しておきましょう。
賃貸借契約には、更新可能な普通借家契約と、更新のない定期借家契約があります。定期借家契約の場合、特約がない限り中途解約は原則できません。また、契約期間が終了すれば、貸主の同意を得て再契約をしない限り、引き続き入居することはできませんので注意が必要です。
賃貸条件は物件によって様々です。月額の家賃は同じでも、契約条件の違いで実際の支払額が大きく異なることに注意が必要です。家賃のほかに支払いが必要となる、共益費・家賃保証会社の保証料・家財保険料・礼金・敷引き*・保証金の償却・契約更新時の更新料・退去時に原状回復費として特別に借主の負担とされる費用があればその金額などを確認し、実質的な負担額がいくらになるのかを把握しましょう。
また、契約を解約する場合の退去予告期間や金銭負担の条件についても確認が必要です。
貸主によっては、家賃保証会社との連帯保証契約を契約条件とする場合があります。家賃の支払いが滞ったとき、一部の家賃保証会社には、強引に家賃の支払いを求め、なかには借家契約の解除まで求めてくるケースもみられますので、家賃保証会社と契約を結ぶ場合には、契約内容について特に注意、確認をしてください。
住宅の賃貸借は、契約書の条項に従い行うわけですから、その内容について十分理解しておく必要があります。不動産業者が仲介する場合、契約前に重要事項説明がありますので、設備や契約内容、特にトラブルとなりやすい退去時の原状回復費用について説明を受け、不明な部分や気になる事項は質問し、十分理解、納得してから契約しましょう。納得できない点は修正をもとめ、内容を了解したうえで契約をすることがトラブルの予防となります。どうしても契約条件について納得がいかない場合には、契約をしないという判断も必要です。
*敷引き=賃貸借契約において、敷金(保証金)の一定割合を退去の際に無条件で差し引く慣行。西日本に多く、同義語で「償却」とも呼ばれる。
普通借家契約では、賃貸契約の期間が終了しても、借主が契約の継続を請求すれば、原則として契約は更新され、居住を続けることができます。貸主の契約更新の拒絶には「正当な事由」が必要とされており、借主の居住の安定が確保されています。
契約内容を変更する場合には、貸主・借主の双方が協議し合意することが必要となります。競技が整わず、契約期間終了後に新たな契約が結ばれなかった場合は、それまでの契約と同じ条件で、期間の定めのない契約として更新されます。これを「法定更新」といいます。
更新料とは、契約更新の際、契約更新の対価として借主から貸主に支払われるお金ですが、契約書に更新料を支払う旨の特約がなければ、借主は支払う必要はありません。法定更新の場合に更新料を支払う必要があるか否かは争いのあるところですが、更新料を支払う旨の特約があれば、支払わなければならないでしょう。
相続や売買で貸主が変わった場合、新貸主が旧貸主の地位を引き継ぐことになります。契約内容はこれまでどおりで、借主の合意なく変更されることはありません。家賃等の支払いは、新貸主宛てにすることになりますが、貸主変更を装った詐欺も過去にありましたので、十分な確認をしてください。また、敷金についても新貸主が引き継ぎますので、契約終了時の敷金返還請求は、新貸主に対して行います。
賃貸住宅を退去する場合には、借主はあらかじめ契約書に定められた退去予告期間に従って退去日を貸主に通知する必要があります。また、退去に際しては、住宅の通常の使用に伴って生じた損耗を除き原状回復を行う義務があります。
賃貸住宅における原状回復義務とは、その住宅を入居時の状態に完全に戻すまでの必要はなく、借主の故意・過失によって生じた、住宅の汚損、破損もしくは無断で原状を変更したときに負う責任をいいます。
原状回復の一般的な費用負担のあり方については、国土交通省より「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が公表されていますので、退去立会前に一読し、借主の負担すべき範囲について確認しておくと参考になります。
また、入居前に室内の汚れや破損状況について貸主(または管理会社)と立会確認するとともに、写真に撮るなどして記録しておくと、後日の紛争防止に役立ちます。
貸主が負担する原状回復費用は、貸主と借主の合意により決定します。貸主の請求に納得できないときは、自分が適切と思う負担額を明細書に書き、貸主と話し合いましょう。話し合いでの解決が難しいときは、裁判所における民事調停や少額訴訟手続を利用する方法もあります。
※「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省)
これまでマイホーム市場では新築住宅が主役となっていましたが、近年では「良いものを作り、きちんと手入れして、長く大切に使う」というストック重視の方向に進んでいます。そのため住宅リフォーム(改修)の果たす役割は大きくなっており、多くの施策が進められています。その主なものを紹介します。
地方公共団体が耐震改修や耐震診断に対して補助を行っている地域で、耐震リフォームを行った場合や、バリアフリーや省エネリフォームを行った場合に、一定の要件を満たすことで、確定申告によって所得税の控除を受けることができます。また、工事後3カ月以内に所在地の市区町村に申告することで、固定資産税の減額を受けることもできます。
10年4月から、リフォーム瑕疵保険制度がスタートしています。これは、リフォーム工事に欠陥が見つかった場合に補修費用等を賄うための保険で、工事業者に支払われます。工事業者が倒産している場合には、消費者に対して直接保険金が支払われます。
保険加入の際は、リフォーム工事の施工中や工事完了後に、住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が、第三者検査員(建築士)による現場検査を行います。これにより質の高い施工が確保されます。保険加入は任意で、加入手続きは工事業者が行います。工事契約前には、工事業者に保険加入の有無を確認する必要がありますのでご注意ください。
なお、工事業者が保険に加入するためには、各保険法人に事前登録する必要があり、登録を受けるためには、事故を多発させていないなどの一定の条件を満たしている必要があります。登録事業者は、住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページで検索することができます。
(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)では、住宅リフォームの消費者被害の防止を図るために、リフォーム工事業者から提示された見積もりに関する相談を受け付けています。見積金額や工事内容などに関する相談について、無料でアドバイスを行っています。
住宅リフォームに関して、全国各地の弁護士会で弁護士や建築士による対面の相談を無料で受けることができます。まず電話で(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談窓口に相談してください。なお、建設住宅性能評価を受けた住宅や住宅瑕疵担保責任保険に加入済みの住宅については、リフォームに限らず利用することができます。
※一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会
「省エネリフォーム」とは、国が推奨する省エネ基準(次世代省エネ基準)を目安として住宅を改修することです。具体的には、住宅内部の温度が外気の影響を受けにくいよう、窓や床・壁・天井など外気と接する部分について、熱を伝えにくい構造に改修する工事を行います。この断熱改修工事により、冷房や暖房がききやすくなり、温度のムラも少なく快適になります。加えて、冷暖房に使用する電気・ガスなどの消費量が減り、光熱費を節約できます。
省エネリフォームの基本は、住宅が外気に接する面のすべてを断熱することです。そのため、「窓」と「床・壁・天井または屋根」の断熱性を高めることが重要になります。そのほか、日差しを遮る工夫や太陽光利用など省エネ機器の導入をすると、さらに省エネ効果が向上します。
「窓」は住宅の中で最も熱の出入りが大きい部分です。その熱の移動を遮断することが重要です。リフォームの規模、コストなどの条件によって以下の方法があります。
「床・壁・天井・屋根」の断熱では、断熱材を各部に入れて窓以外の部分をすき間なくくるみます。木造住宅では、柱と柱の間の部分にくまなく断熱材を詰め込んでいきます。次世代省エネ基準では地域ごとに必要な断熱材の厚さが示されており、省エネリフォームでその暑さ以上にすることが大事です。なお、結露などで断熱材自体が水分を含むと断熱効果が下がります。断熱材に防湿性と通気性をもたせるように、設計者や工務店とよく相談しましょう。
政府は地球温暖化対策、エネルギー自給率の向上等を目的として、太陽光発電の導入拡大に力を入れています。住宅への普及が進み、2012年4月には設置件数が100万件を突破し、2013年3月末時点での全国普及率4.6%となりました。しかしトラブルも増えており、注意が必要です。
太陽光発電は完全オーダーメイド。設置費用については、ご自宅の屋根の面積や向き、屋根材の種類によっても容量や設置するシステムが変わってきますので、専門家によるシミュレーションをおすすめいたします。
そして費用の目安は、1kWあたり工事費込みでおおよそ41万円と言われており、一般的な戸建ての場合3〜4kW規模が目安となります。
また、2013年度までは経済産業省により、太陽光発電システムに設置について1kWあたり1.5〜2万円ほどの補助事業が実施されていましたが、2016年度現在では実施されておりません。ただし、地方自治体によっては補助制度を実施しているところもありますので、詳細はお住いの地方自治体へお問い合わせください。
2012年7月1日から、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」がスタートしました。この制度は、再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間、電気事業者に調達を義務づけるものです。
例えば、10kW以下の太陽光発電システムを設置した場合、余った電力を電力会社に売電することができ、2015年度は発電した電気1kWhあたり33円で売ることができました(出力制御対応機器の設置義務なしの場合)。
ただし、この制度を利用するためには、事前に設備の認定を必ず受ける必要があり、この設備認定とは、法令で定める要件に適合しているかを国において確認するものです。認定作業については、申請書類が整ってから認定までに、少なくとも1〜2ヶ月程度の期間がかかっており、それ以上の時間がかかることも珍しくありませんのでご注意ください。
(2012年7月以前に「余剰電力買取制度」にて売電されていた方は、この新制度の設備認定を受けたものとされ、新制度下にて従来と同条件で買取ができます。)
インターネットで調べたり、既に設置した人に聞いて複数の販売・設置業者を選定し、見積もりを取るとよいでしょう。比較のポイントは価格、変換効率、形状などです。また、契約の内容、クーリング・オフ、予想発電量、保証・点検等の説明を受けておくべきです。
太陽電池の期待寿命は20年以上ですが、パワーコンディショナ*3は10〜15年程度です。設置後数年に一度点検し、必要に応じて交換してください。また、太陽電池パネルの通常の汚れは雨で流されますが、枯れ葉、鳥のふん、油汚れ、降灰などは清掃・除去する必要があります。
故障発見のポイントは発電量ですので、月毎の発電量を記録しておくことをお勧めします。
※「年間予想発電量の算出」(一般社団法人 太陽光発電協会)
*1 太陽光発電システムを電力会社の配電線に接続して運用する方法
*2 家庭のCO2排出削減量を取りまとめる国のしくみ「グリーン・リンケージ倶楽部」などへの参加を表明すること
*3 太陽光発電で発電した直流電流を交流電流に変換するための装置
LEDとは「Light Emitting Diode(ライトエミッティングダイオード)」の頭文字で、日本語では発光ダイオードといいます。価格はやや高めですが、低消費電力で長寿命、小型で発熱量が少ない、紫外線を出さない、虫が寄り付きにくいなど多くの長所があります。
LEDは、同じ明るさの白熱電球と比べて消費電力が約5分の1〜10分の1程度、寿命は約40倍程度です。長寿命のため、手が届かない吹き抜けの天井や別荘の防犯灯など、これまで照明を使いにくかった場所にも向いています。ただしLED組込のLED照明器具の寿命は、従来の照明器具と同様に内部の電線や部品の劣化などで決まります。LED照明器具は球の交換なしに10年程度使える器具と考えてください。
LEDは小型で発熱が少なく、発する光も熱くありません。その特徴を生かした小型の器具が各メーカーから出ています。また、手持ちの照明器具の白熱電球をLEDに換えて、節電することもできます。一方、全周に発光する白熱電球や蛍光灯と異なり、一般的にLEDは光の指向性が強い(光の広がりが小さい)ため、白熱電球用の器具に取り付けると元々の照度が得られないこともあるので気をつけましょう。
省エネルギーなLEDはろうそく、白熱灯、蛍光灯に次ぐ第四世代の照明として期待されています。需要が高まり価格も下がってきていますから、優れた長所を生かした使い方で新しい明かりを楽しんでみてはいかがでしょう。